作家なのにルックスでバッシング… 山崎ナオコーラがつづる「ブス」論 (1/2ページ)

新刊JP

『ブスの自信の持ち方』(誠文堂新光社刊)
『ブスの自信の持ち方』(誠文堂新光社刊)

現代は良くも悪くも“顔”の時代なのかもしれない。

インターネット上にも、SNS上にも、相変わらずテレビや雑誌にも人間の顔があふれていて、人々は顔を求めている。
顔出しをしていないインフルエンサーや有名人の名前で検索をかけると、「顔」「素顔」などのサジェスチョンが出てくる。また、政治家やスポーツ選手、作家にも「美人」「イケメン」といった枕詞が着いていることも多い。

その一方で、「ブス」や「ブサイク」といった心無い言葉が飛び交うシーンも頻繁に見られる。そして、いくらインターネットやテレビ・雑誌といったメディアを間に挟んでいるとはいえ、そういった言葉が向けられている本人たちは、しっかりとそのメッセージを受け取っている。

26歳で作家デビューし、これまで5回芥川賞候補になった作家・山崎ナオコーラさんも、自分に向けられた「ブス」という言葉と長く対峙してきた一人。そんな山崎さんによる「ブス」という言葉をめぐる最新エッセイが『ブスの自信の持ち方』(誠文堂新光社刊)だ。

■それまで言われたことがなかったのに、デビュー後急に「ブス」と言われるように

山崎さんが「ブス」と言われるようになったのは、作家デビュー後から。
デビュー前は、自分の容姿が世間から「良い」とされていないことは分かっていたものの、容姿が悪いという理由で生きづらさを感じることはなかったし、自分に対して悪意を持って「ブス」と言ってくる人もいなかったという。

しかし、デビュー後すぐにその時は訪れる。インターネットで自分の名前で検索をかけると、第二検索ワードで「ブス」と出てくるようになったのだ。

なぜ「ブス」という言葉がサジェストされるようになったのか。
山崎さんは作家デビュー後、インタビューを受けたり、トークイベントに出たりするようになったのだが、そうした場では堂々と振る舞うようにしていて、そこで「勘違いブス」と思われたのではないか、と分析する。
世間が「ブス」に対してぶつけているのは、「いなくなれ」「消えろ」というメッセージではない。

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