政府は庶民から税金巻き上げ…「相続法改正」幸せの名義変更 (3/5ページ)
今回、相続権がない嫁の場合でも、介護などに貢献した親族は特別寄与料を受け取ることが可能になった。
「ただ、請求権があるというだけ。遺産分割の話し合いで、寄与分がどう判断されるか明確でない部分があります。まず嫁は、介護にあたった日付や時間、購入したものや持ち出し費用などの詳細をノートにつけ、介護に要した領収書などもしっかり取って、どれだけ介護に尽くしたかを証明する必要があります」(柴崎氏)
■妻に家を残すために
この他、妻が安心して暮らせるための制度改正もなされている。
一つ目が《婚姻期間20年以上の妻に、生前贈与された自宅は遺産分割の対象外になる制度》。自宅の評価額が、贈与税の配偶者控除の金額である2000万円に贈与税の基礎控除額(110万円)を合わせ、2110万円以内であれば贈与税がかからず、しかも、夫の遺産と見なされないため、妻にそのまま家を残せる。
一方、施行は来年4月からと少し遅れるものの、《配偶者居住権の新設》が認められた。これは自宅を所有権と居住権に分け、たとえば長男が自宅の所有権を相続しても、妻に居住権を相続させれば、夫の死後も妻は自宅にそのまま住み続けられるというもの。それぞれの評価額は物件の耐用年数などによって決められるが、仮に3000万円の価値がある物件だとして、その金額から、妻の所有権の金額を差し引いた分を長男が相続するため、妻は自宅に住み続け、かつ、老後資金も確保できるメリットがある。
前者と後者、いずれも「夫とともに家庭を築いた妻に家を残す」ための制度だが、どちらを選択すべきか。前出の中島氏によると、「節税メリットを考えると、後者を選択したほうがお得の場合がある」という。
まず、前者は評価額2110万円を超えると、贈与税がかかる。特に都会の場合、地価が高く、土地について非課税メリットを生かしきれないこともある。そして自宅を相続した妻が死亡後、子どもに相続させる「二次相続」の際に、基礎控除3000万円プラス「600万円×比例控除分(法定相続人の数)」しか、非課税枠がないのだ。