「理解できるけど面白くない」市場調査から生まれた企画の弱点とは (2/4ページ)
――「仕事を通じて自己実現を」ということはよく言われますが、私たちはどうしても「自分の夢と仕事は別物」と考えてしまいがちです。これを一致させることには意義がありますね。
鵜川:「夢」というと壮大なもののように感じますが、自分がそれをやることに意味が見いだせて、周囲の人や世の中にとっていいことにつながるという思いがあると、人はその実現を強く望むのではないかと私は思っています。そういうことも含めて「夢」と呼んでもいいのではないでしょうか。
――「ビジョナリーワーク」に必要な「巻き込み力」や「伝える力」ですが、鵜川さんご自身は、自分の思いを誰かに伝えることが得意だったのでしょうか。鵜川:全然そんなことはありません。失敗だらけですよ(笑)。以前は会社勤めをしていたのですが、当時はなかなかうまくいきませんでした。
「会社がこれからやろうとしていること」や「事業部の方向性」のようなものを説明するのは得意だったのですが、「自分がこうしたい」ということを語るのは苦手だったんです。否定されたら嫌だな、とかバカにされたらどうしよう、と考えてしまって。今思うと、周囲を巻き込んで仕事をしていくということをやりたくてもできないことにモヤモヤしていた気がしますね。まさに本の中の創太と同じ心境です(笑)
ただ、2012年にこの本でも紹介している、伝え方の「型」のベースになる考え方に出会ったんですよ。これを自分なりにアレンジしてブラッシュアップしていたら、これまで伝えるのが苦手だった自分の思いや気持ちを語れるようになった。そこから変わった気がします。
――人を巻き込むための伝え方に「型」があるというのはユニークだと思いました。この「型」を使うことのメリットはどんな点にあるのでしょうか。鵜川:「自分の思い」と「ロジック」を両立させられる点です。プレゼンテーションや発表、提案などでよくあるのが、「思いは溢れているけど何を言っているかわからない」というパターンと「ロジカルだけど面白くない」というパターンです。ほとんどの人はこのどちらかに入ります。ただ、「型」をうまくつかうことで、ロジカルな説明に自分の思いを乗せることができる。