「第67回夏の甲子園」のちの“大魔神・佐々木”に挑んだ無名の公立高校 (1/2ページ)

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「第67回夏の甲子園」のちの“大魔神・佐々木”に挑んだ無名の公立高校

 桑田真澄&清原和博(ともに元・読売など)のPL学園(大阪)“KKコンビ”が最後の夏の甲子園を迎えた1985年第67回選手権大会。この年、創立わずか3年目で甲子園初出場を果たした無名の公立校が快進撃を見せ、大会を盛り上げていた。滋賀県代表の甲西である。

 2回戦からの登場となった甲西は、まず名門の県岐阜商を7‐5で破り、みごとに甲子園初勝利を飾った。続く3回戦でも古豪の久留米商(福岡)相手に延長11回、2‐1と劇的な逆転サヨナラ勝ちを収め、なんとベスト8進出を果たしてしまう。準々決勝で激突したのが、のちに“大魔神”の愛称で呼ばれることとなる右の本格派右腕・佐々木主浩(元・横浜DeNAなど)擁する東北(宮城)であった。

 下馬評では東北断然有利であったが、試合は勢いに乗る甲西が1回裏にいきなり先頭の高野輝昭が二塁打で出塁。続く内林和彦の犠打に3番・奥村伸一の右前適時打であっさりと1点を奪う展開に。さらに3回裏にも1死からまたも1番・高野が四球で出塁すると、2番・内林と3番・奥村の連打で1点を追加。主導権を握る。

 だが、このまま新鋭校におめおめと引き下がれない東北が4回表にようやく反撃。1番・村瀬公三の四球をきっかけに1死二塁とすると、3番・浜田雅成の左前適時打でまず1点。さらに死球、野選で満塁とすると6番・葛西稔(元・阪神)の右犠飛に7番・岩渕正典の中前適時打で一気に逆転に成功したのである。

 それでも甲西はひるまない。6回裏、1死後から連打でつかんだチャンスにダブルスチールを絡め、最後は9番・安田浩一が二塁内野安打を放ち、同点に追いつく。さらに7回裏には2死から4番・石躍雄成が内野安打で出塁すると、またも足を使って東北バッテリーをかき回しにかかる。2死二塁とすると5番・西岡伸剛の右中間への適時二塁打で1点を勝ち越したのである。

 東北も負けてはいなかった。直後の8回表に2番・吉田清人が中前安打で出塁し、1死二塁とすると4番に座るエース・佐々木が左前適時打を放ってたちまち同点に追いつく。白熱した試合はこうして4‐4の同点で最終回の攻防を迎えることとなったのであった。

 9回表、東北は2死を取られながらも1番・村瀬がセンターオーバーの二塁打で出塁。

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