なんと馬と結婚した女性の末路…「遠野物語」より、オシラサマのエピソードを紹介 (3/3ページ)

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さまざまなオシラサマ。遠野市立博物館にて。

その像は桑を削った棒の先端に顔を彫り込んだ素朴なもので、幾重にも布を着せて支えるのですが、どういう訳か迷い事などある時には馬の顔がどちらかへ向いて「お知らせ」してくれるので、いつしか「お知らせ様」と呼ばれるようになり、それが転じて「オシラサマ」として今日に伝わっているそうです。

どんどはれ(昔話などで「おしまい」の意)。

エピローグ

『聴耳草紙』には更に後日譚があり、父親の夢枕に立った娘が、切り倒した桑の葉を蚕に食べさせて絹糸を生み出す養蚕を教え、村がますます栄えたことから、オシラサマが養蚕の神様としても信仰されていることなどが紹介されています。

それにしても、人間と馬との結婚が広く理解される世の中はまだまだ先のことと思いますが、性的少数者に対する理解が(賛否はともかく)進みつつある昨今、いつか時代が追いつく?可能性もあるのかも知れませんね。

※参考文献:
柳田國男『遠野物語』集英社文庫、平成三1991年12月13日
佐々木喜善『聴耳草紙』ちくま学芸文庫、平成二十二2010年5月10日

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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