天才テリー伊藤対談「都倉俊一」(2)ピンク・レディーは期待薄でしたか (1/2ページ)
テリー 都倉さんが「スタ誕」の審査員として出演されたのは、どんな経緯からだったんですか。
都倉 審査員だった阿久悠さんが、何かの理由で収録に出られなくなっちゃったことがあって、その時「都倉ちゃん、代わりに出てくれ」と頼まれたんですよ。だから、最初は1回だけのつもりで、若くて生意気なヤツが好き勝手なことを言っていたわけですが、そこをプロデューサーに気に入られてしまって。そのままレギュラー審査員になったです。
テリー 僕も毎週見ていましたけど、社会現象になった番組でしたよね。
都倉 日曜朝11時からの放送で、最初は視聴率2~3%くらいだったんですが、そのあと最高28%も取りましたからね。
テリー 本当に、続々とスターが出てきましたから。
都倉 ええ、まず森昌子ちゃん、次が桜田淳子ちゃんですね。昌子ちゃんは演歌だから遠藤実さん、淳子ちゃんは中村泰士さんが曲を書いて、僕は3番目の山口百恵ちゃんに関わった。
テリー これまた、すごい逸材じゃないですか。それは、都倉さんが手を挙げたんですか。
都倉 いえいえ、「じゃあ今回は都倉さんがやってください」みたいな感じでした。理由はよくわかりませんけれど。
テリー 6人審査員がいましたけど、やっぱり評価は割れるものなんですか。
都倉 かなり違いますね。声楽家の松田トシさんは、挑戦者のスター性なんてのはあんまり考えないで、見るところは「正しい歌唱法に向かっているかどうか」だけ。亡くなった三木たかしさんも頑固な人で、「いい」「悪い」とハッキリ言ったりするものですから、楽屋での打ち合わせ中に「まあまあ、いいじゃない」みたいになだめるようなことがよくありました。
テリー そして、いよいよこの番組で、あのピンク・レディーとの出会いがあるわけですよね。
都倉 ピンク・レディーも、最初はまったく注目されなかったわけですよ。決戦大会で、大注目株の清水由貴子ちゃんはレコード会社40社のうち38社からプラカードが挙がったのに、ピンク・レディーなんてたったの2社でしたから。
テリー あれれ、そんなものでしたっけ。