「ジャイアント馬場とアントニオ猪木」藤波辰爾&天龍源一郎がプロレス談義! (2/6ページ)
天龍 そうですね。ファンクス兄弟のもとで修業していたとき、シャワーを浴びてパンツ一丁で出てきたら、馬場さんに「おい、女性の前でパンツ一丁はないだろ」と叱られました。エレベーターに乗ろうとすると、馬場さんに「女の人が先だろ」と止められて(笑)。
藤波 僕も付き人時代に、猪木さんから礼儀を教わりました。ヨレヨレのジャージなんか着ている選手は、猪木さんに怒られていましたから。
――馬場さんは、倹約家という評判もありますが?
天龍 金にはシビアでしたよ。馬場さんはレスラーと飯を食っても、自分の分だけ支払ってましたから。他のレスラーには、自分で食った分は自分で払えと。角界のような「ごっつぁんでした」という世界を排除したかったんでしょう。
■「金を引っ張ってこい」と…
――ただ、天龍さんは、馬場さんからお金を出してもらった数少ないレスラーだと聞いてます。
天龍 そうそう。新聞記者の人たちと飲んで、夜中2時くらいになると「ファイトマネーじゃ足りないな」と気づくわけですよ。付き人に「まだ馬場さんは起きて本を読んでるはずだから、金を引っ張ってこい」と言って(笑)。
藤波 アハハハハ!
天龍 付き人が10万円持って戻ってくるんですよ。馬場さんは、記者の人たちを接待してると理解してくれたんでしょう。僕が全日本を辞めるまで、馬場さんから「夜中に金を渡したんだから“ごちそうさまでした”くらい言え。コノヤロー」なんてことは1回も言われなかったですよ。
藤波 天龍さんに対する信頼があったんでしょうね。新日本はみんなで食事したら、金庫番の山本小鉄さんが払ってくれました。前借りも小鉄さんのところに行ってね。坂口征二さんの体制に変わってからは「何に使うんだ」と細かく聞かれるようになったけど(笑)。
――猪木さんは、実業家の顔もお持ちですよね。
藤波 我々とは考えている次元が違いました(笑)。僕たちは「いい車に乗って、大きな家に住みたい」という夢があったけど、猪木さんは、そんなことに執着しないんですよ。
天龍 新日本のほうが儲かってましたよね。