「セキュリティは不十分」 情報セキュリティ専門家が指摘するキャッシュレス社会の落とし穴 (6/6ページ)

新刊JP

――完全に安全な暗号とは一体どんな暗号ですか?

中村:完全に安全な暗号=完全暗号(コンプリート・サイファー)は、クロード・シャノン博士の提示したフレームワークをもとに私が試行錯誤を重ねて開発してきました。そこには2つの問題がありまして、1つは暗号鍵の配送問題。もう1つは暗号鍵がないときに解読不能なアルゴリズムを使わないといけない。それを克服できたからこそ、実用化への道筋ができたわけです。

――暗号鍵の配送問題とはどのような問題なのでしょうか。

中村:なぜ不正アクセスの被害が起きるかというと、暗号鍵を相手に送るからです。渡すときに誰かが介入してきてそのまま鍵が盗まれる。ならば、暗号鍵を何とかして安全に相手方に送るという課題が想起されます。これを解決したとされたのが公開鍵方式でした。暗号化と復号化で異なるペアの鍵を使用する。こうすれば暗号鍵は安全に配送できるはずでしたが、中間車攻撃にはなす術もありませんでした。
一方で、暗号鍵を送らないという選択肢も考えられます。これがコンプリート・サイファー(完全暗号)に繋がり、クリプトキャッシュを開発することができました。

後編に続く

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