インターネットは新たなステージへ 「お金の未来」と暗号技術の最先端 (2/6ページ)

そこで私が考案した新しい人工知能アーキテクチャによるCP(Cognitive Processor)を用いることにしました。まったく同じ回路構造を持つ2つのCPを離れた時点で同じ環境で使用し続ける。そうすると、何年経っても同じ入力に対しては同じ信号を出力する。これを「一卵性双生児現象」と名付けて、応用することにしたんです。
ただ、もちろん同じ環境をつくるというのは非常に難しいことです。例えば植物の場合なら、水をやったり太陽光を浴びたりする時間などで成長は大きく変わりますよね。そうした課題を乗り越え、「一卵性双生児現象」に特化したCPを開発しました。
――そして実現したのが「クリプトキャッシュ」です。前半で「暗号を使ったキャッシュ」とご説明されていますが、中村:貨幣の本質は価値を交換できる媒体です。例えば100円のミネラルウォーターがある。そして百円玉を持っている。百円玉は100円の価値を持っているから、100円のミネラルウォーターと交換することができる。ミネラルウォーターは100円の価値があるから百円玉と交換できます。
「クリプトキャッシュ」は、コンプリート・サイファー(完全暗号)でその「価値の引換券」を実現します。本体は、一度きりしか使えない英数文字等の記号列で、デジタルマネーとして使うことはもちろん、印刷したり、コインに刻印したりしてもOKです。価値を一対一対応で表象するので、印刷して「紙幣」にすればそこに価値が移転するのです。台帳への記載は必要ありません。
発行形態は2つのパターンを考えています。1つは「サーバ発行型」、もう1つは「ウォレット発行型」です。
サーバ型はクリプトキャッシュを発行するコミュニティが共有する価値を担保にして、サーバで発行し、暗号技術を用いてユーザーのウォレットに届けます。