田中角栄「怒涛の戦後史」(9)恩師・草間道之輔(下) (3/3ページ)

週刊実話

一度、露出された映像は死ぬまで残ることになるんだ」

 後世に伝えられた田中の「驚異の記憶力」は、この幼少期に草間の言葉を胸に刻み、ひらすら勉学に励んだ結果であった。その記憶力が、実力政治家・田中角栄の生涯の推進力になったと言っていい。

 田中は首相になったあとの昭和49年2月、「子供を育てるにもかかわらず、教師の給料は安すぎる。これでは人材が集まらない」として、それまで政府が渋っていた教師の待遇改善のための「人材確保法」を制定。せめて恩師に報いたということでもあった。

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【著者】=早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。

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