蝶野正洋の黒の履歴書 ★東京オリンピックの“酷暑問題” (1/2ページ)

週刊実話

蝶野正洋の黒の履歴書 ★東京オリンピックの“酷暑問題”

 今年の夏は暑かったな。俺は新日本プロレスの真夏の祭典「G1クライマックス」で歴代最多の5回優勝をしてから、プロレス界の“夏男”なんて呼ばれるようになったが、そんな俺でも今年の暑さはキツかった。

 俺はいま「熱中症予防PR大使」を務めさせてもらっていて、各地で熱中症や暑さ対策について話をさせてもらっている。熱中症をゼロにするための基本は「知って、気づいて、アクション」。まずは、自分が熱中症の危険がある環境にいるってことに気づくことから始まるんだよ。20年前だったら、気温30度を超えたらとんでもないって感覚だったけど、今は当たり前に35度とかになるんだから、ちゃんと対策をしないとダメなんだよ。それを考えると、来年開催される東京オリンピックも考えなきゃいけないよな。

 外出するのを控えるぐらいの気温でスポーツなんてしてたら、いくら体を鍛えているアスリートでも危険だよ。もちろん、それを会場で見る人たちも同様だ。

 来年も猛暑になるって予測できるなら、安全を優先して開催時期をずらしてもいいんじゃないか。

 あと、うちのカミさんの出身地のドイツでは、東京オリンピックは「寒い地方の国の選手にとって不公平」って、酷暑な環境で開催されることが大きな問題になってるらしい。

 北国の人は、そもそも体質的に暑い環境での競技には適していない。それに、暑さ対策をしなきゃいけないし、そのための練習も簡単にはできないから、これはフェアじゃないよな。無理して選手生命に関わることになったら死活問題だから、出場を辞退する選手も出てくるかもしれない。

 プロレスも昔は、野外にリングを組んで試合をすることがあった。俺が若い頃に遠征していたオーストリアのウィーンでも野外試合はあった。でも、ヨーロッパは、当時、サマータイムというものがあって、20時くらいからのスタートだったからな。日本でも、サマータイム導入の議論をよくしてたけど、最近はあんまり聞かなくなったよな。

 サマータイムが難しいなら、働く人たちが自分で出勤時間を遅らせるとか、なにかを変えていかないと。デスクワークのサラリーマンなら、冷房の効いた部屋にいられるけど、外仕事の人もいるわけだからね。

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