浮気や不倫とは違う、「ポリアモリー」という複数同時交際のセクシャリティー

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浮気や不倫とは違う、「ポリアモリー」という複数同時交際のセクシャリティー



私たちは小さい時から「たった一人の愛し続けること」の素晴らしさを教わってきました。

しかし、よくよく考えてみれば、自然界は複数の異性と交際し、子孫を産んでいる生き物の方が多いわけで、人間だけが特定の相手とだけ愛情を育くまなくてはいけない、というのもおかしな話です。

「一度に何人もの人を好きになってしまう、それが一度や二度ではない」、もしそんな経験をしたことがあるなら、あなたは「ポリアモリー」なのかもしません。

■ポリアモリーとは?

ギリシア語の「複数」(poly)とラテン語の「愛」(amor)をくっつけた造語です。

一度に複数の人を好きになり、しかもその対象は異性に限らず、かつ交際相手が全て、こちらに複数の交際相手がいることに合意している、というライフスタイルを確立している人のことを指します。

この、交際相手が全員複数交際の事実に合意をしている、という点で、浮気や不倫とは明確な違いがあります。

またポリアモリーと対比して、「たった一人の人と親密な関係を築きたい」と考える人を、モノガミーと呼ぶこともあります。

どちらが良いということはありません。ポリアモリーの人もモノガミーになりうる可能性があるし、モノガミーの人もポリアモリーになる可能性があるのです。

■ポリアモリーが抱える「人とは違う」という悩み

ポリアモリーの気質を持っている人は、幼少期から「一人の人を好きになる」という感覚に足して違和感を抱くことが多いようです。

それが思春期を迎えると、「自分は精神病なのではないか?」「複数の人を愛せると言ったら、嫌われるのではないか?」「同性を好きになってしまうのはおかしいことなのではないか?」という悩みに変わり、追い詰められることになります。

今でこそ、LGBTやトランスジェンダーのように色々なセクシャリティーを持った人がいるという考え方が広まってきましたが、子ども時代にはコミュニティが狭いこともあり、どうしても塞ぎ込みがちになります。

■ポリアモリーは「特別じゃない」

実際のポリアモリーのライフスタイルを覗いてみる(*1)と、私のようなモノガミーなセクシャリティーを持っている人たちと同じように人を愛し、同じように傷つき、同じように葛藤していることがわかります。

いえ、まだまだ周囲の理解が浅いことを考えると、モノガミーよりもはるかに多くの課題と向き合っていると言えるかもしれません。

ここまで読んでみて、「あれもしかしてポリアモリー?」と思った人には、勇気を持ってその事実を受け入れ、信頼できる人に打ち明けてみてほしいなと思います。

逆に「私は完全にモノガミーだわ」と思った人も、ポリアモリーを否定するのではなく、そういう価値観の人がいる、という純然たる事実を知ってほしいなと思います。

■「違うこと」を怖がらず、「違う人」を否定せず

これだけたくさんのセクシャリティが明らかになると、人と違って当たり前なのだということがよくわかります。

特にセクシャリティはこっからここまでコレ、こっからここまでがアレと明確に線引きできるものではありません。

それまで女性しか愛したことがない人でも、魅力的な男性に出会うことでゲイであることを認識することもあります。

「自分はちょっと周りとは違うみたいだ」と感じる人は、その違いを恐れずに受け入れるようにすること。自分の知り合いがそういう人だった場合は、その人の価値観を否定せず、理解すること。

安易にカテゴライズせずに、その人にはその人のセクシャリティがある、ということを知っておくことがどんな人にとっても大事なことではないかと思います。(川口美樹/ライター)

(*1)参考:「わたし、恋人が2人います。」https://cakes.mu/series/3687「ポリアモリー実践者たちの証言〜複数恋愛というセクシャルマイノリティーの純愛は成立するのか?」https://nihonzine.com/polyamory-loves/



(ハウコレ編集部)

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