神の教えがおびやかされる....敬虔なクリスチャン一家が何世代も隠し続けていたのはイクチオサウルスの化石だった(英)
Image by Joaquin Corbalan/iStock
ビクトリア朝時代のイギリスでのことだ。敬虔なクリスチャンだったある一家は神の教えがおびやかされることを危惧するあまり、発見した古代の化石を埋め戻していまったという。
それから150年後、その一家の子孫でありイングランドで蒸留所「サマセット・サイダー・ブランデー」を営むジュリアン・テンパリー氏は秘蔵の化石を掘り起こす決意をした。
問題の化石は、絶滅した海棲爬虫類・魚竜の中で最も知られた属であるイクチオサウルスのものだったという。
・先代が石切場で発見したイクチオサウルスの化石
「魚トカゲ」を意味するイクチオサウルスは、その名のとおりイルカとトカゲを混ぜ合わせたような見た目の魚竜である。
1811~12年にイングランドの古生物学者、メアリー・アニングによって発見されたのが最初で、近縁の魚竜に比べると体は小さいが1990年代には3~3.5mの最大の標本も見つかっている。
世界のさまざまな地域で発見され、また年代も中生代(2億5100万年~6550万年前)を通した大半で見られることから最も成功した系統という説もあった。
Ichthyosaurs 101
・一度は持ち帰るも、また埋め戻す
地元紙が報じたところによるとテンパリー氏の祖先は当時、建材業者で、彼の曾々おじいさんに当たる人物かそのお父さんが石切場で採掘していた際に化石を発見したのだそうだ。
それを自宅に持ち帰ってきたものの、なにやら神や天地創造の伝説を否定しているかのように感じられてきたらしく、せっかくの化石を埋めてしまったという。パンドラの箱を開けたくないという思いだったのだろうか?
ちなみにこの出来事は、ダーウィンが進化論について書いた『種の起源』を発表する数年前のことである。

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・自然災害をきっかけに秘密の化石を掘り起こす決意
それから時は流れてテンパリー氏が子ども時代、彼は一族に伝わる秘密の化石をしばしば掘り起こしては眺めては、また埋めなおしていたという。
だが、2013~14年の冬にサマセットがひどい洪水に見舞われたことをきっかけに、今こそ掘りだすべきときが来たと感じたそうだ。
テンパリー氏はこの化石について、
子どものころ、サマセットを訪れたときは必ず掘り返して惚れ惚れと眺めたものだ。2013~14年の冬の洪水が過ぎて、ずっとそこに埋めっぱなしにしておくのはまずいと思った
とコメントしている。
こうしてプロの化石コレクターであるクリス・ムーア氏の協力のもと、ついに秘蔵の化石が発掘されることになった。

Image by:Burnham and Highbridge Weekly News(2019/09/27) "Somerset cider firm boss who unearthed century old family secret has put it on display for first time"
それは非常に素晴らしい標本で、テンパリー氏が蒸留するブランデーのボトルラベルにもなるそうだ。
References:Burnham and highbridge weekly newsなど / written by hiroching / edited by usagi
追記:(2019/10/2)本文を一部訂正して再送します。