嵐の日にやってきた野良猫を保護し「猫弁護士」として雇用した弁護士協会(ブラジル)

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嵐の日にやってきた野良猫を保護し「猫弁護士」として雇用した弁護士協会(ブラジル)
嵐の日にやってきた野良猫を保護し「猫弁護士」として雇用した弁護士協会(ブラジル)

image credit:dr_leon_advogato/Instagram

 ブラジルに、野良だった状況から一転して、住居と職を得たなんとも幸運な一匹の猫がいる。

 その野良猫の運命が大きく変わったのは、嵐の中、雨宿りのために弁護士協会の建物の中に入り込んだことがきっかけだった。

 猫を保護し、留まらせていた弁護士協会側は、建物内の受付に居座る猫に多くの訪問者からの苦情があったことを知ると、その苦情を抑えるために、その猫を弁護士協会の正式な従業員として雇用し、更には弁護士にまで昇格させるという素晴らしい解決策を取ったのだ。
・建物内に留まった一匹の野良猫の運命が変わる

 ブラジルのアマパ州では、今年2月激しい雨が続いていた。

 そんな嵐の中、一匹のオス猫が避難所を求めてブラジル弁護士協会(Order of Attorneys of Brazil 以下OAB)のある建物へ入り込んだ。

 猫は、OABのスタッフに箱に入れられて一週間ほど保護されていたが、野良猫が建物の受付周辺をうろつく姿を見た訪問者らはいい顔をせず、受付には多くの苦情が寄せられた。

 するとOAB側は、思いもかけない解決策に出た。

 レオンと名付けられたこの野良猫を、追い出すどころかOABに正式に雇い入れたのだ。

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・レオン、現在は弁護士猫となる

 周りからの苦情を避けるために、野良猫を正式に従業員にするという名案を思い付いたOAB委員会は、早速レオンに従業員バッジを与え、雇用した。

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 この一件がOABスタッフの1人によりフェイスブックに投稿されると、世界中に拡散し、OAB側の思いやりある素晴らしい対応策が称賛された。

 最初の間、レオンは建物にやって来る訪問者の歓迎係として雇用されていたが、現在はなんと弁護士に昇格。

 過去にレオンについて苦情を申し立てていた人たちはというと、今では「小さいから踏んでしまう可能性がある」と、ちょっとした不満を口にしながらも、レオンを可愛がり、定期的にレオンの遊び相手になる人もいるほど、レオンはすっかり人気者になった。

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・9万人超えのインスタフォロワーを持つ存在に

 現在、インスタグラムのアカウント『dr_leon_advogado』に92000人以上のフォロワーを抱えるまでになっているレオンについて、OABスタッフはメディアの取材で次のように話している。

今やレオンは、OABの従業員として大切なメンバーになっています。

2か月前には去勢を済ませ、現在完全回復していますが、獣医にレオンは生まれた時から声帯に問題があったことを告げられたのです。

だから、レオンはこれまでほとんど鳴き声をあげなかったのだと知りました。でも、これからも私たちはレオンを世話し続けていきます。

 OAB側は、レオンを保護したことをきっかけに、虐待されて放棄された動物たちを支援する施設「Instituto Dr. Leon」を設立したことを明かした。

 この動物の権利を保護する施設では、できるだけ多くの動物をサポートすることを望んではいるが、やはり収容には限界があるため、OABは町のNGO(非政府組織)に資金を提供し、動物の保護への協力を仰いでいくとのことだ。

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 なおOAB側は、近い将来レオン弁護士が単独のオフィスを持つ可能性があることも示唆している。

 野良猫から一転して、OABの建物の中に住処を得て、しかも弁護士にまで昇格したレオン。結局は、全てがOAB側の動物への思いやりが粋な計らいとして現れたからこそだといえよう。

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 レオンのストーリーを知った人々からは、次のようなコメントが寄せられている。

・是非、レオンを私の弁護士として雇いたいわ!

・こんな可愛い猫に苦情を寄せる人もいるんだね。

・猫好きな人は、素晴らしい人。これを証明してくれたようなストーリーだよね。

・いい居場所と仕事が見つかって本当に良かった!

・いい話で泣けた。

・猫が弁護士か…最高だな。

References:UNILADなど / written by Scarlet / edited by parumo
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