映画の3D作品をきれいに快適に観るには? 「視覚機能」の専門家に聞いてみた! (2/4ページ)
メガネが合っていないと当然ですが見づらくなりますし、疲れてしまいます。
また、「隠れ斜視」であることも考えられます。正しくは「斜位(潜伏性斜視)」といって、黒目が斜視と通常の中間に位置している状態です。
――隠れ斜視だとなぜ3D映像がうまく見えないのでしょうか?
半田教授 人間の目はもともと少し外を向いていて、それを中心に寄せて物を見ています。しかし、隠れ斜視の人は外に向いている度合いが大きいため、普通の人よりも強い力で中心に寄せないといけなくなります。特に3D映像は両目の寄せを強いて見るものなので、普段よりもさらに強い力を必要とするため、結果的に疲れてしまうのです。
――そうした隠れ斜視の人は多いのでしょうか?
半田教授 多いですね。私もそうですが、10人中7人くらいは普通よりも少し外に向いている「外斜位」です。外斜位にも程度の差がありますから、3D映像を見るときに疲れやすい人は、外斜位の程度が強いのかもしれません。
映像の左右差の少ない上映方式を選ぼう――3D作品をきれいに見るにはどうすればいいのでしょうか?
半田教授 自分に合った「3Dメガネのタイプ」を選ぶことですね。
現在映画館で用いられている3Dメガネには偏光フィルター方式と呼ばれるものがあり、光を真っすぐに飛ばす直線偏光フィルター方式と、円を描くように飛ばす円偏光フィルター方式があります。このうち円偏光フィルター方式は体を傾けても映像がずれにくいので、円偏光フィルター方式のものを選ぶことをお勧めします。
――例えば3Dの上映方式の一つである「RealD 3D」は円偏光フィルター方式ですが、3D映像が見づらい、疲れやすいという人はこの上映方式を選ぶといいかもしれませんね。
半田教授 そうですね。