松尾スズキ、笑いを追求する人間力「職業は“喜劇人”」 (2/3ページ)
それで“自分のベッドシーンを撮って見せるのは、さすがに誰もやってないだろう”と(笑)。そこに、夫婦という形態を入れ込んで、ある男が浮気した妻への嫉妬と復讐から、たくさんの女を抱くストーリーを思いつきました。
ただ、構想は固まっても、なかなか実現できなかった。そんなとき、中山美穂さんとお会いする機会があって、そこでついでのように、この映画のアイデアを話したんです。
そうしたら、共通の友人から、中山さんが「松尾さんの映画がすごく面白そう」と言っていたと聞いたんですね。“これはもう当たって砕けるしかない!”と、オファーを出して(笑)。また企画が動き出したんです。なにしろ、あのスーパースター“ミポリン”ですからね。僕の妻役で出演する決心をしてくれたことは、心より感謝しています。
セックスで人を笑わせるのは難しい。でも、今回の作品はR18ではありますが、15歳の僕が観ても笑えると思いますね。
僕の基本は「笑い」です。「あなたの職業はなんですか?」と尋ねられたら“喜劇人”と答えるでしょうね。30年以上、喜劇を作ってきましたが、これからも笑ってもらえる作品を作り続けていきたいです。
ただ、喜劇以外にも、今後もうひとつやってみたいことがあります。それは、「レヴュー」です。歌と踊りの華やかなショーを作ってみたい。以前、フランスに行ったときに、キャバレーで見たことがあって、これがすごく面白かったんですね。こういうショーを、自分の感覚で作れたらいいなと。
ミュージカルなら日本でもよく上演されていますが、どれも、どこか外国からの借り物に見えてしまう。僕は、音楽と踊りと歌だけで構成されたエンターテイメントを、日本独自の演出や構成でやってみたい。まだ誰もやっていないので、僕が先陣を切りたいんです。
松尾スズキ(まつお・すずき)
1962年、福岡県生まれ。1988年に「大人計画」を旗揚げ。以降、主宰として数多くの作品の作・演出を手がける。