約5300年前のミイラ、エッツィ(アイスマン)は最後の日々をどう過ごしたのか?コケ類の分析で新事実が判明 (5/6ページ)
これらは、ほとんどが極小の石英結晶から成る硬い堆積岩であるチャートからできていた。
チャートは先史時代で道具を作るときによく使われた材料だ。
道具のいくつかは植物や柔らかい枝などを切るためのもので、丁寧に繰り返し研ぎ直された痕跡がある。
そのすり減り具合から、エッツィがたびたび自分の道具や武器をシカの角で修繕していたことがわかった。
ほかにも刃のついた原始ツールがあったが、これはまだ完成していなかった。おそらく、エッツィはこの道具を作っている途中で亡くなったのだろう。
象徴的な意味があるのかもしれないエッツィの短剣image credit:South Tyrol Museum of Archaeology.
・広範囲に渡っていた銅器時代の巨大な貿易ネットワーク
考古学的な証拠から、アルプス地方は銅器時代から巨大な貿易ネットワークに組み込まれていたことがわかる。