子育てには「お父さんの守備範囲」がある 教育研究家が語る父の役割とは (4/4ページ)
つまり、このまま「やりなさいと言われてしぶしぶやるような子」を育てても、高校に行ったらうるさい親父から離れられてせいせいしたと思うはずで、それでは意味がない。そうじゃなくて、自主的に勉強する子にしないといけないと思って、それから宿題を出すのはやめたのですが、自分が漠然と子育てをしていたことに気づかされましたね。
――「一人で生きていける人間に育てること」は多くの親に共通する気持ちだと思います。特に気になるのが経済的な自立ですが、これについてアドバイスをいただきたいです。七田:これは難しいですよね。実は私は大学生の時にローンであれこれ買い物をしていたら、結構な額になってしまって、「今回だけ」ということで父に残債を払ってもらったことがありまして、その時に身の丈に合った生活をするようにと教えられました。それ以来、住宅ローン以外は一括払いで払えるものしか買っていません。生活の中に本格的にお金が入ってくるのは大学生くらいからですから、実際的な金銭教育はその年齢になってから教えるしかないのかなと思います。
ただ、金銭感覚を身につけさせたり、計画的にお金を使うことを覚えさせるのは子供の時からでもできます。小遣い帳をつけさせたり、一緒に買い物に行った時に、大まかなものの値段感覚を教えたりといったことは小さなうちからやっておくといいでしょうね。
――本書では「愛・厳しさ・信頼」を実践すれば子育てはうまくいく、と書かれています。愛と厳しさのバランスが悩みどころだと思いますが、この点についてアドバイスをいただければと思います。七田:ベースは常に「愛」です。厳しいことを言わないといけないこともありますが、それも愛があってこそなので。また、誤解されがちですが、悪いことをしても叱らないのは愛があるとは言えないですよね。
愛をベースにして、一人で生きていくための善悪の判断を教えていくのが親の役目です。子供が自立する時に「これからは親が近くにいないけど、この子にはやるだけのことをやってきたから、あとは信じています」と言える状態にするところまでは親の責任だと思います。