今も昔も女心は難しい。追えば逃げるし、追わねば怒る…とある平安貴族の恋愛模様 (4/4ページ)
「荻の葉の こたふるまでも 吹きよらで
ただに過ぎぬる 笛のね(音)ぞう(憂)き」【意訳】荻の葉がそよぐまで吹き続ける性根もない、中途半端な笛の音なんて、聞かされたところでかえって辛いだけなのよ。
この時、姉は既に結婚していたものの、愛しの夫は出張でずっと会えない日々が続いており、その憂鬱な思いが、夢見がちで『源氏物語』のようにロマンチックな恋愛に憧れている妹(主人公)との違いに表れたのかも知れませんね。
結局、あの笛の男性は「荻の葉」を諦めてしまったらしく、『更級日記』にその後のエピソードは記されていません。
「追えば逃げるし、追わねば怒る」
こうした複雑な気持ちや恋の駆け引きと言ったものは、今も昔も変わらないようです。
※参考文献:
鈴木知太郎ら校註『土佐・かげろふ・和泉式部・更級 日本古典文学大系20』岩波書店、昭和三十九1964年5月25日 第7刷
辻真先・矢代まさこ『コミグラフィック日本の古典15 更級日記』暁教育図書、昭和五十八1983年9月1日 初版
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