「男はつらいよ お帰り 寅さん」映画公開 佐藤蛾次郎インタビュー (2/4ページ)
渥美さんから「俺、(小指を立てながら)これ関係の噂って一切ないだろ?」って言われたこともあったな。確かにあの人は映画の中と違って、女性関係で揉めるタイプではなかった。「蛾次郎、お前、女遊びしているってあちこちで聞くぞ。奥さんのこと、大事にしろよ」って釘を刺されてね。同じことは倍賞(千恵子)さんからも言われたけどさ(苦笑)。
★ズバ抜けた美女は岸恵子さん
――映画出演者が男女の仲になったり、交際に発展することがあります。『男はつらいよ』の場合は?
佐藤 あの組には、そういう浮わついた話が何ひとつない! 男女の色恋沙汰もなければ、暴力沙汰もなかったしさ。真面目に仕事に没頭するプロ集団でしたよ。仕事を離れると、みんなで遊びに行ったこともあったけどね。山田洋次監督、倍賞さん、渥美さんと俺で、1週間くらいタヒチに行ったんだ。「全部、お勘定は俺が持つから」って渥美さんは言ってくれたな。ホテルのロビーで待ち合わせしていると、そこに倍賞さんが水着姿で現れるわけよ。だけど、その水着は露出度が抑えめだった。それで「違うよ。ここはタヒチなんだから」って俺がダメ出ししたんだよね。そしたら翌日、再びロビーに現れた倍賞さんはビキニ姿だった。そりゃ、見事なものだったよ。本人は「蛾次郎さんにビキニにさせられた」とか言っていたみたいだけどね(笑)。
――『男はつらいよ』といえば、マドンナの存在も欠かせません。佐藤さんが特に印象に残った美女は?
佐藤 岸恵子さんはズバ抜けて綺麗だったな。まだ日本人が海外に出ることも珍しい時代、フランスから帰ったばかりの岸さんは外国人みたいな存在感があった。やっぱり往年のスターというのはオーラが違うんだよね。女優になるくらいだから全員が美人なのは当たり前なんだけど、今の若い人にはない独特の雰囲気があるというか。同じような感じで、若尾文子さんも撮影現場でお会いして「うわ〜、なんて綺麗なんだ!」と驚きました。「こんな美人が、この世にいていいのか?」って、我が目を疑うようなオーラがあってさ。
――「銀幕の大スター」といった風格ですね。
佐藤 他にも綺麗なマドンナはたくさん出てきたけど…でも一番は、さくら、つまり倍賞さんなんじゃないかな。