「男はつらいよ お帰り 寅さん」映画公開 佐藤蛾次郎インタビュー (1/4ページ)
映画『男はつらいよ』がシリーズ50周年を迎え、大きな注目を集めている。昨年は22年ぶりとなる新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』も公開。同作品での名物キャラクター“源ちゃん”を演じる俳優・佐藤蛾次郎さんが、知られざる舞台裏と作品の魅力を激白!
――佐藤さんは渥美清さんと親交が深かったことで知られます。作品初期と後半で印象は変わりましたか?
佐藤 いや、そんなに変わらないね。そもそも『男はつらいよ』は映画化される前にテレビ版があったんだけど、渥美さんとはその頃からの付き合いなんだ。もちろん、晩年は少し弱った姿を見せることもあったけどね。俺が楽屋に顔を出すと、「おう、蛾次郎! 果物でも持っていけよ」とか言ってくれるんだけどさ。そこには布団が敷いてあって、いかにも起きたばかりといった様子なの。でも、こっちだって「大丈夫ですか? もっと休んだ方がいいんじゃないんですか?」とか下手に心配するわけにはいかない。重病人みたいな扱いをする方が、よっぽど失礼だからね。最期まで普段通りに接していたよ。
――渥美さんは仕事とプライベートを分けて考えるタイプで、役者仲間や関係者との交流がほとんどなかったとも言われています。
佐藤 そうだね。だけど俺なんかは別だったよ。あれだけの売れっ子になっても全然偉ぶることがなかったし、そういうところが俺は大好きだった。浅草でコメディアンをやりながら苦労をしてきた人だから、面倒見のいいところがあったんだよ。若い頃は六本木の寿司屋で奢ってもらったりしたしね。「蛾次郎、なんでも好きなもん食べなよ」とか言ってくれるんだ。バンド演奏で歌えるような店に2人で行ったこともあった。そのときは『男はつらいよ』の主題歌を歌ったんだ。渥美さんが「私、生まれも育ちも葛飾柴又です」っていう例の前口上を読み上げ、俺が歌い始める。その場にいたお客さんは大盛り上がりだったよ。もっとも、この話を他の人たちにしたところ、「バカ言え。渥美さんがそんなことするわけないだろ」って信じてもらえなかったけどね(笑)。
――渥美さん、お酒は飲まない方だったのでは?
佐藤 うん、コップを舐める程度。それでも、くだらない話をずっとしていたものだよ。最近、見た映画のこととかさ。結局、なんだかんだでウマが合ったんだと思う。