「男はつらいよ お帰り 寅さん」映画公開 佐藤蛾次郎インタビュー (3/4ページ)

週刊実話

なんで恋ばかりしている寅さんが結婚できないか、考えたことある? それは結局のところ、さくらよりもいい女なんていないからなんだよ。つまり一番のマドンナは、さくらというわけなんだよね。

――佐藤さんから見た山田洋次監督はどんな人?
佐藤 大変、厳しい方。仕事の鬼と言ってもいい。とにかく「リアルにやれ!」と何度もやり直しを命じるんです。要するに“芝居臭い芝居”を嫌うんだよね。俺が演じる源ちゃんというのは、ちょっと足りないところがあるわけです。ところがリアルにバカを演じるって、実はすごく難しいことなんだ。たとえばマドンナのかたせ梨乃さんが「すいません、寅さんはどこですか?」と源ちゃんに尋ねるシーンがある。その時、源ちゃんは脚立の上に乗っていた。絶世の美女に声をかけられた源ちゃんは舞い上がってしまい、脚立から踊るように降りる…と脚本には書いてあるわけ。「踊るように」とあるくらいだから、ガタガタ倒れそうになりながら脚立から降りるよね。その時の慌てふためいた滑稽な感じが、リアルじゃなくてはいけないと監督は言うんだ。

――なるほど。高度な演技力が求められそうです。
佐藤 こういうこともあった。江戸川で釣りする場面を撮影していたら、強風で竿の先端部分が抜けちゃったんだよね。完全なアクシデントだよ。それはテスト段階での出来事だったんだけど、本番で竿が使えなくなると困るじゃない。俺も「アワワ…」ってうろたえちゃってさ。そうしたら山田監督は「それだ!」って言うわけ。そのオロオロする感じを本番でも出してくれということなんだ。それが山田監督流のリアルさを追求するってことであって、演じる側としては非常に難しいところがあった。

――ファンが車寅次郎と渥美清さんを混同しがちなのも、そういったリアルさゆえなのかもしれません。
佐藤 そうだと思う。寅さんの代わりは誰もできないもんな。でも、それは他の登場人物にも言えることで、「誰が俺の代わりに源ちゃんをできるんだ?」っていう自負はあるよ。倍賞さんのさくらもしかりね。そういう意味でも、やっぱりあの映画は特別なんだよ。

――シリーズ50周年記念として、現在は22年ぶりの新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』が公開されています。
佐藤 すごくいい映画ですよ。

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