歴代総理の胆力「佐藤栄作」(4)孤独な総理のトランプ占い (2/2ページ)
深夜の静まり返った中の一室で、そんな栄作の後ろ姿を見て、ゾッとした思い出もあるんです」
佐藤はこれ慎重、重心を低くしたリーダーシップで、着実に焦土から経済大国へのバトンを渡したという成果を残した。その意味では、政治の責任の極めて大きかった政権をまっとうしたと言える。
佐藤の墓誌に、こんな銘が刻まれている。
「拒まず追わず競わず随わず、縁に従い性に任せ命を信じてなんぞ疑わん」
本人しか窺い知れぬ、戦後歴代2位の長期政権、そのリーダーシップの深層が知れるようでもある。
■佐藤栄作の略歴
明治34(1901)年3月27日、山口県生まれ。東京帝国大学法学部卒業後、鉄道省入省。ノーバッジで第2次吉田内閣官房長官。昭和39(1964)年11月第一次内閣組織。総理就任時63歳。沖縄返還協定調印。昭和50(1975)年6月3日、脳卒中で死去。享年74。
総理大臣歴:第61~63代 1964年11月9日~1972年7月7日
小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。