さらばノムさん!野村克也氏「長嶋&王と球界への遺言」 (3/3ページ)

日刊大衆

表では冷静だったミスターですが、陰では“野村に負けると腹が立つ”と感情的になっていたそうです」(球界関係者)

 だが、この挑発は、野村監督流の“戦術”だった。〈ヤクルトは巨人よりも人気がなく、戦力も劣っていた。しかし、頭脳を最大限に働かせれば、弱者でも強者を倒すことができる。(中略)長嶋を怒らせることによって冷静さを失わせ、采配でミスを誘うべく、情報戦を仕掛けたのである〉

 一方、打撃記録で切磋琢磨したのが王氏だった。〈王に対しては、同じホームランバッターとして強く意識していた。王は俺の価値を下げた男。もし王がいなければ、本塁打と打点の通算記録は、今でも俺がトップだったんだから〉

 まだ交流戦のない時代、王氏とはリーグが違うため、日本シリーズ以外で対戦することはない。しかし野村さんは、公式戦ではないオープン戦やオールスター戦でも、王氏を抑えるべく、捕手として全力を尽くした。〈王の分析は嫌というほどやった。実際、王はオールスター戦で二十数打席ノーヒットだったことがあって、そのときのパ・リーグのキャッチャーは俺なんだよ〉

 ただし、これにも、ちゃんと意図があった。

「打撃記録でことごとく上を行く王さんを見かねて、“こうやって抑えるんだ”とセ・リーグのバッテリーに見本を示したかったようです。でも“全然参考にしてくれなかった”とボヤいていましたね。確かに、セの他球団がノムさんの王対策を学んでいれば、記録はもっと拮抗していたかもしれません」(ベテラン記者)

 この続きは2月17日発売の『週刊大衆』3月2・9日号で。

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