痛々しいけど愛おしい♡室町時代の中二病文学「閑吟集」より特選14首を紹介【下】 (2/6ページ)
11、赤きは酒の咎ぞ 鬼とな思(おぼ)しそよ 恐れ給はで 我に相馴れ給はば 興がる友と 思すべし 我も其方(そなた)の 御姿(おんすがた) うち見にはうち見には 恐ろしげなれど 馴れてつぼいは山伏
山伏(源頼光)たちと酒宴に興じる酒呑童子。「大江山酒天童子絵巻」より。
【意訳】赤いのは酒に酔っているからであって、俺を赤鬼だなどと恐れないで欲しい。打ち解ければ楽しい友達になれるのだから。そもそも俺だって、最初にお前の姿を見た時は警戒したけれど、こうして話してみればいいヤツじゃないか。山伏殿よ。
これは大江山の酒呑童子(しゅてんどうじ)を退治するため、山伏に変装してやって来た源頼光(みなもとの らいこう)たちに対して、酒呑童子が「みんな俺を赤鬼だと恐れるけれどよぉ、本当は心優しい人間なんだぜ……」と愚痴?をこぼすシーンを詠んだものです。
※「つぼい」とは可愛らしい、愛嬌がある等の意味から「気さくな、いいヤツ」と言ったニュアンスで用いられています。
一説には、酒呑童子はもともと人間(しかもイケメン)だったのが、とある女性をフった怨みで呪いをかけられ、醜く恐ろしい鬼の姿になってしまったとも言われています。