痛々しいけど愛おしい♡室町時代の中二病文学「閑吟集」より特選14首を紹介【下】 (5/6ページ)

Japaaan

告白したいのなら、ダメ元でもさっさと白黒つけてしまえ、と思わなくもありませんが、場合によっては相手に迷惑をかけてしまう事にもなりかねず、さりとて何も言わずに身を引くのはあまりにも辛すぎる……。

そんな複雑な女性の恋心は、室町時代も現代も変わらないようです。

14、おりゃれおりゃれおりゃれ おりゃり初めておりゃらねば 俺が名が立つ ただおりゃれ

「私に恥をかかせようものなら……分かっていますね?」

【意訳】来てよ、来てよ、来てよ!一度きりなんてあんまりじゃない。いいから来てよ!

「おりゃれ」は「おいでやれ」の訛ったもので、何度も何度もせがむ内に、言葉がゲシュタルト崩壊を起こしかけているようです。

一度おりゃられた(来られた≒一夜を共にした)以上、通い続けてくれなければ「捨てられた女」という評判が立てられてしまう……たとえもう愛していなくてもしょうがないから、とにかく形だけでも通って来てよ!そんな必死さが伝わって来ます。

同時に「俺はお前のそういう『重さ』が嫌で逃げ出したんだよ!」と言う男の本音も聞こえて来そうですが、あんまり邪険にあしらうと、『源氏物語』のヒロイン・六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)のような生霊(いきすだま)に憑り殺されてしまうかも知れませんよ。

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