痛々しいけど愛おしい♡室町時代の中二病文学「閑吟集」より特選14首を紹介【下】 (3/6ページ)

Japaaan

「……だからせめて、この鬼の姿を恐れず接してくれるお前たちだけは、俺と分け隔てない親友になって欲しい」

そう聞くと、ちょっと切ない気持ちになってしまいそうですが、情に流されない頼光たちは冷徹に任務を完遂。酒呑童子は最期に悲痛な叫びを遺します。

「偽りなしと聞きつるに、鬼に横道(わうだう⇒おうどう)なきものを!」
※『今昔物語集』より。

(意:お前たちは言ったじゃないか!俺と偽りなき親友になってくれると!鬼ならば、こんな卑怯なやり方で敵を欺きはしない!)

首を刎ねられた酒呑童子、最期の悪あがき。住吉弘尚「大江山酒呑童子絵巻」より。

ぶっちゃけ「お前ら人間は、俺たち鬼よりよっぽどゲスい!」と罵倒しているのですが、ちょっと否定できない気もします。

12、篠(すず)の篠屋の村時雨 あら定めなのうき世やなう

【意訳】細くて頼りないスズタケを編み組んだ粗末な小屋(篠屋)に降りしきる雨……まったく世の無常を感じるよ……。

村時雨(むらしぐれ)とは、村雨(むらさめ)と時雨(しぐれ)を組み合わせた言葉。どちらも「にわか雨」を意味していますが、時雨は特に晩秋から初冬のそれを意味しており、寒々とした情景を思い起こさせます。

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