野村克也はやはり凄かった! プロ野球名監督「伝説の采配」舞台裏 (5/6ページ)
前日、160球を投げた田中をマウンドに上げたんです」(前同)
前夜、田中は星野監督を訪ね、「明日も投げさせてください」と直訴していたという。闘志をむき出しにしたエースが、闘将の心にも火をつけたのだ。
中日で8年指揮を執り、リーグ優勝4回、日本一1回(CSからの勝ち上がり)という成績を残したのが、落合博満監督だ。「落合采配の真骨頂を見たのは、07年の日本ハムとの日本シリーズです。中日の3勝1敗で迎えた第5戦、先発の山井大介が快投を見せ、8回まで1人もランナーを出さないパーフェクトゲーム。完全試合達成の期待が高まる中、落合監督は9回に山井の交代を告げたんです」(中日番記者)
山井に代わりマウンドに上がったのは、守護神の岩瀬仁紀。場内からは、「山井コール」が鳴り響く異常事態となった。「中日のリードはわずかに1点。岩瀬を出す場面ではありました。ただ、山井は完全試合に王手をかけていた。普通の監督では、交代させることはできませんよ」(前同)
名采配なら、この人を忘れてはならない。変幻自在のオーダーで敵を翻弄した仰木彬監督(故人)だ。仰木監督の下、近鉄の主力として活躍した解説者の金村義明氏が述懐する。「仰木さんは誰よりも早く外野に出て、選手と一緒に走ってました。走りながら、その日、調子の良い選手を見極め、オーダーを冷徹に考えていたんです。仰木さんの頭の中には、いくつものパターンのオーダーが用意されていましたね」
これが“仰木マジック”の種だったのだ。
仰木監督にはイチローの才能を開花させたという功績もあるが、同様に日ハムの栗山英樹監督は、大谷翔平(現エンゼルス)という“怪物”の生みの親だろう。