初回はボールが浮きやすい プロ野球スコアラーが語る神宮球場の怪 (3/5ページ)

新刊JP

チームによっては入れてくれませんでしたね。「他球団のスコアラーに見せるな」と。こっち(巨人)は、相手チームのスコアラーにも見せているのに(笑)。

――「先乗り」と「先先乗り」について書かれた個所が興味深かったです。「先乗り」は次のカードの対戦球団をチェックして、主に相手打者の状態を確認する。「先先乗り」は二つ先のカードの対戦相手を見て、先発投手のチェックをするという。

三井:プロ野球の先発ローテーションは一週間で一周するので、「先先乗り」が見ている二つ前のカードで投げている投手が自軍との試合で登板する可能性が高い。そして、「先乗り」が見ている一つ前の球団を見る際は、打者の最新の状態を見極めるという側面が強いです。

――「先先乗り」で投手を見る時はどんなところをチェックするんですか?

三井:配球や投げる球種の割合などですね。「クリーンアップの打者の時はこういう配球をしていた」とか「得点圏に走者がいる時はこう投げていた」「併殺を取りたい時はこう」など、細かいところを見ます。

ただ、前のカードで成功した配球をそのままやってくることもあるにせよ、結局は対戦相手が違えば、違った配球でくるものです。たとえば、他のチームのクリーンアップと、巨人のクリーンアップの打者は違うので、あくまで参考にしかなりません。そのあたりは、できるだけ多くの情報を取り込みながら、傾向を読んでいかないといけないという難しさがあります。

――プロともなると、カウントごとに相手投手がどんな確率で何を投げてくるかといったことまでデータを取ると聞いたことがあります。「ボールが先行した時にどんな球でストライクを取りに来るか」とか。

三井:それは当たり前のようにやる分析作業ですね。ただ、全カウント分の確率なんて打者は覚えられませんから、それはスコアラーが覚えておいて、打者には「打者有利カウント」「投手有利カウント」「フルカウント」「初球の入り方」などに絞ってシンプルに伝えます。

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