2009年WBC世界一 「イチローの8球」の陰にあったドラマ (2/5ページ)

新刊JP

――攻略法はあったんですか?

三井:あそこまで完成度が高い投手だと、データを分析して配球をどうするかということよりも、主に技術面でアドバイスをしていました。打者というのはインコースに詰まらされるのを嫌うものなのですが、右打者が川上のシュートを芯で打とうとすると、意識がインコースにばかり向いてしまって、アウトコースに曲がるスライダーにはまるで対応できません。

だから、「インコースのシュートは、詰まっても構わない。詰まらせて、内野の頭を超えるイメージいこう。でも、アウトコースは芯で打とう」というようなことを話していました。

――当時だと石井一久投手(元ヤクルトスワローズ)などにも、ジャイアンツ打線は苦しんでいた印象があります。適度にコントロールが荒れていて、打ちにくそうでした。

三井:石井とか松坂(現西武ライオンズ)とか、一線級の投手が調子のいい状態で出てきたら、なかなか打てるものではありません。そういう時は、「今日の石井は打てないから、自分が打てるボールが来たら振っていこうぜ」とミーティングで言っていました。

スコアラーが「打てない」なんて言ってはいけないのでしょうが、そうすると気が楽になるのか、案外打ったりするので不思議です(笑)。

――打者の方はいかがですか?

三井:落合さんと福留(孝介・現阪神タイガース)は嫌でした。落合さんは、アウトコースでも簡単にホームランにするし、インコースで詰まらせても外野の前に落とされる。どうしようもなかった……。打ち損じを待つだけ、という感じでしたね。

福留はエサを撒いてくるんですよ。平気で甘いストレートを見逃すから、次もストレートを投げると、「待ってました!」とばかりにフルスイングしてホームラン、というように。

――近年の傾向として、投手の球種が増えましたし、変化球は「速くて小さく曲がる」が主流になっています。打者は対応が難しくなっているんじゃないかと思うのですが、いかがですか?

三井:それは間違いありませんよね。

「2009年WBC世界一 「イチローの8球」の陰にあったドラマ」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る