税務調査で調査官から変なお願いをされたらどう対応すべきか元国税が解説 (1/2ページ)
私の現職時代とは異なり、近年は税務署の調査官の方も非常に礼儀正しくなったと言われています。しかしながら、先日受けた税務調査のセミナーによると以下のようなお願いをしてくる調査官がいるようです。
・税務調査で調査官が使うため、パソコンを用意してほしい
・税務調査の際必要になるので、調査官のロッカーを用意してほしい
■税務調査は必要最低限の協力でいい
国家権力を背景にした公務員からこのような「お願い」をされると、多くの納税者はそれを義務と勘違いして、「お願い」に従わないと大変なことになると考えがちです。しかし、このような「お願い」に従う必要は当然のことながらありません。
税務調査は納税者の申告が正しいのか、確認するために行われるもので、強権的なことは原則としてできないことになっています。実際のところ、国税の内規でも納税者の方に負担にならないよう、きちんと許可を取りながら調査を進めるよう指示されています。
このため、申告の確認に必要な事項については協力しなければなりませんが、ロッカーがあろうとなかろうと、帳簿などを確認すれば申告内容はわかりますし、パソコンが必要なら税務署から持参すればいいだけで、実際のところパソコンを持参する調査官もたくさんいますから、このような協力をする必要はないのです。
■申告書の控えを用意するというお願いは?
ところで、近年の税務調査では「提出した申告書の控えをご用意ください」という滑稽なお願いが国税からなされています。私の現職時代は、提出を受けた申告書を外部に持ち出すことができたのですが、酒に酔って持ち出した申告書を紛失するという不祥事が後を絶たないため、国税は一切申告書の持ち出しを禁止したようです。
こういう訳で、調査したくても申告書の確認が調査先でできませんので、調査先に申告書の控えを用意して、などという訳ですが、これについても協力する必要は法律的にはないと考えられます。申告書の提出はすでにしていますし、何より申告書の控えを納税者が保存しなければならないという法律はないからです。