ヒトが二足歩行を始めてからも、ずっと木の上で生活していた仲間がいた(英研究) (3/4ページ)

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・一方は現代人に、他方は類人猿に近い

 研究グループが立てた予想は、A. アフリカヌスの骨の内部構造は、現代人よりも現代の類人猿に近いというものだった。ところが意外にも、その280万~200万年前の大腿骨の密度は、現代人のそれと同じだった。

 逆に、正体がはっきりしない218万年前のヒト族については、骨の形状が示すように、ほとんどの時間を歩いていただろうと予測された。ところがその内部は、はるかに類人猿に近かったのだ。


・二本足で歩いた骨と木登りをした骨

かなり最近まで、現生人類は幅広な股関節でもって、ほとんどの時間を立つか、歩くかして過ごしてきた。

 このため股関節には後ろから圧力が加わり、その結果として人間の大腿骨頭で一番密度が高いのは後ろ側となっている。中ほどから頸部にかけて、密度の高い柱で補強するような感じになっているのだ。

 他のほとんどの類人猿の場合、木の上で生活するために股関節が曲がっており、体重はさまざまな方向で支えられる。その結果、大腿骨頭で一番密度が高いところには、柱のペアが形成される。

 1本は木登りで股関節が曲がったときに一番負荷がかかる部分、もう1本は歩くときに股関節がほんの少しだけ曲がることで負荷がかかる部分だ。

 こうした密度の高い部分は、移動方法や生活環境に応じて、類人猿でも若干の違いがあり、ここから種を特定することまで可能だ。
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