ヒトが二足歩行を始めてからも、ずっと木の上で生活していた仲間がいた(英研究) (1/4ページ)

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ヒトが二足歩行を始めてからも、ずっと木の上で生活していた仲間がいた(英研究)
ヒトが二足歩行を始めてからも、ずっと木の上で生活していた仲間がいた(英研究)


 アフリカを闊歩していたヒト族の仲間は、ずいぶんと多彩な生活を送っていたのかもしれない。
 
 南アフリカで発掘された2種のヒト族の骨を調べたところ、2本足で歩いて生活していた種がいた一方で、相変わらず木の上で暮らす種もいたらしいことが判明したそうだ。
・進化による変化とライフスタイルによる変化

 過去数百万年のほとんどの間、私たちの祖先は他のヒト族の仲間と共存してきた。彼らの多くはある部分ではよく似ていただろうが、もちろん大きな違いもあった。

 どのヒト族の化石にも、ヒトとしての特徴とどちらかというと類人猿的な特徴の両方が見受けられる。これらは環境とライフスタイルによって形作られたものだ。

 中には、どの種が私たちの直接の祖先で、どの種が親戚なのか完全にはっきりとしていないケースもある。こうした複雑さのおかげで、ヒト族が木からぶら下がるのをやめて歩き始めた正確な時期の特定は簡単ではない。

 それを突き止めるヒントは、さまざまな骨の大きさと形を知ることで得られる。たとえば、大腿骨の形状は、何世代にもわたって二足歩行に一番有利な特徴を選び続けてきた進化の産物だ。

 一方、一生のうちに送られたライフスタイルの産物もある。それは日々加わる負荷によって変化した骨の密度だ。高い負荷がかけられた部分ほど骨密度が高い。

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nilky/iStock

・200万年以上前のヒト族の大腿骨

 ケント大学(イギリス)の古人類学者グループは、初期ヒト族2種の大腿骨の密度をCTスキャンで調べてみた。

 特に注目されたのは、骨盤に収まって股関節を形成する「大腿骨頭」の部分だ。ここは体重の大部分をそこから下の骨に分散させるところで、ここの骨密度が分かれば、その個体が歩いていたのか、それとも木登りをしていたのかを推測することができる。
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