モンゴルに自由と統一を!日本人と共に民族独立を目指したバボージャブ将軍の戦い【二】 (3/5ページ)
お前を(家庭優先で引き留めるだろうと)疑ってしまったこと、申し訳ない」
「解ればいいのよ……さぁ、一刻も早く支度をして、今すぐ花大人の元へ駆けつけなさい!グズグズしないの!」
「はいっ!」
言うなりおもむろに鞭を振るってバボージャブのお尻をピシャリと打った妻ですが、次の瞬間、涙を流して言いました。
「……あの忌まわしいオロフ(ロシア人)なんかに負けないでね。絶対に、絶対に負けないでね。そしてきっと、必ず生きて帰って来てね。かのテムジンだって、かつて十三翼の戦い(1189年ごろ)で宿敵ジャムカに敗れ去っても、生き延びて最後は勝ったんだから……」
妻の深い愛情を感じたバボージャブは、彼女を優しく、そしてしっかりと抱き寄せます。
「……解った。必ず勝って、生きて帰る。約束しよう」
かくして大切な者たちとの別れを済ませ、未練を断ち切ったモンゴルや満洲の男たちが続々と満洲義軍に参加。これが民族独立の第一歩と信じて、ロシアとの戦いに臨むのでした。
作戦任務に花形も脇役もない!不満分子を説得して団結を強化「……何という健気な奥様……そんな想いを持った皆様の命をお預かりする以上、必ずや勝利を収めてみせましょう!」
バボージャブたちを手厚く出迎えた花大人は満洲義軍を率いて、満洲軍総司令部参謀・福島安正(ふくしま やすまさ)少将の率いる馬賊集団「遼西特別任務班(りょうせいとくべつにんむはん)」と合流。
(※別に馬賊だけを集めたつもりはないでしょうが、自然とそういう腕自慢の荒くれ者が集まり、それはまた満洲義軍においても同様に、少なからぬ馬賊が占めていたことでしょう)
「よく集まってくれた……諸君らの主任務は、満洲各地に展開しているロシア軍の後方攪乱及び糧道の寸断である……」
福島少将の説明を聞いて、バボージャブたちは少しがっかりしました。要するに、正面から堂々と戦う花形ではなく、後方からヒット&アウェイを繰り返す、いわば脇役に回されたのです。