モンゴルに自由と統一を!日本人と共に民族独立を目指したバボージャブ将軍の戦い【二】 (2/5ページ)
妻に叱咤されて未練を断ち切り、戦に臨むバボージャブ
……とは言うものの、バボージャブは今や気ままな独身ではなく、妻もいれば二人の息子もいます。もし戦争が長引いたら、ましてや戦死でもしてしまったら……そう思うと、やはり即答は出来ませんでした。
「花大人……とてもありがたいお話ではあるのですが、一度帰って妻に相談させて頂けないでしょうか?」
バボージャブの申し出に、花大人は満面の笑みで答えます。
「もちろんです。誇り高きモンゴルの英雄たちは、ただ勇猛果敢なばかりでなく、家族に対する愛情も兼ね備えていますからね。とことんまで奥様と話し合って、心おきなく武勇を発揮して頂けるなら、いくらでもお待ちしますよ……」
「ありがとうございます。それでは返答は三日後。諾否いずれにせよ、必ずさせて頂きます」
きっと、妻を説得するには相当な時間がかかるだろう……そう思って目一杯の猶予をとったのですが、帰宅して事情を話したところ、妻はすぐさまバボージャブを追い出しました。
「なっ、何をするんだ!」
「あなたは何をグズグズしているのですか!モンゴル族の誇りを取り戻す戦いを前に、否という返事はあり得ないでしょう!」
思いもしなかったリアクションに、若干うろたえるバボージャブ。しかし妻は続けます。
「あなたが偉大なるチンギス=ハーンの末裔であるように、私もまた、テムジン(チンギスの実名)たち兄弟を女手一つで育て上げたホエルン(テムジンの母)の末裔……たとえあなたがいなくなっても、息子たちは私が立派なモンゴルの男に育てて見せます!」
「そうだな……俺が間違っていたよ。