楽しんで長距離を走るように、格闘家人生を送りたい (4/5ページ)

日刊大衆

 海の向こうの話ではあるが、世界最高峰のUFCが無観客大会ながら活動を再開させた。「UFCが再開するので、凄く楽しみです。そうやって練習したいという気持ちを抑えます。でも本当に練習したくてしょうがないです。自分の動きが、コロナ前に戻るのか不安もありますし」

 弥益は積み上げてきたものを、1ヵ月以上も練習しないことで失ってしまうことを懸念する。試合感覚だって鈍るだろう。「だから僕は、高みを目指す選手は、1日も無駄にできないという強迫観念にかられ、練習することは否定できないんです。僕だってまた強くなっていると感じられる練習ができるのか、戻ることができるのか気に病みますから」

■コロナを生き残るということは、コロナ後を生きること

自宅に用意したトレーニング・ルームでウェートトレニーングを続けている(本人提供) 自宅に用意したトレーニング・ルームでウェートトレニーングを続けている(本人提供)

 今、弥益は自宅に創ったトレーニング・ルームでウェイトトレを行い、早朝に夫人を伴って公園へ行くと、互いにミットを持ち合っているそうだ。

「彼女は全く格闘技経験なんてないのに、意外とミットを持つのが上手くて。体が鈍っているのもありますけど、息が上がるぐらい力いっぱい打ち込んでいます」──そう言った弥益は、今回の電話取材で初めて笑い声を挙げた。

 弥益はわきまえている。このような時代だからこそ、思い切った行動をとる人間がいることを理解したうえで、慎重な姿勢を貫く。

「僕は短距離を走っているわけじゃない。長距離を長く楽しんで走りたい。そういう格闘家人生にしようと、社会人になった時に決めたので。だから今は我慢の時。格闘技が長く皆に愛される環境を失わないためにも、今を見過ぎない。

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