阪神入団を逆転した巨人「疲弊した王は母の腕枕で寝息を立てた」 (5/5ページ)
デスクは店の裏口に2台の車を手配し、鉄城と川口を宇野代表が待つ銀座のふぐ料理店に、王と両親を銀座のレストランに送り届けた。鉄城は宇野代表と条件面の最終確認を終えると、「巨人でお世話になります」と頭を下げ、店の電話を借りて、阪神、中日、大洋、阪急と早慶野球部に断りの電話を入れた。正式な入団発表は10月4日となるが、事実上、この日に王の巨人入団は決定した。阪神入り濃厚と報じた8月22日付の日刊スポーツの記事から、約10日の間の出来事だった。
王が巨人入りを決めた2日後の9月2日、報知新聞は、広島遠征に出発する巨人ナインを王に見送らせた。「いや~、君が王くんか。一緒に頑張ろう」
すでに巨人の4番を任されていた長嶋茂雄は王に、こう言葉をかけた。これが、ON初対面の瞬間だった――。(文中一部=敬称略)