新石器時代の遺跡、ギョベクリ・テペには高度な幾何学的知識が使用されていた(イスラエル研究) (1/4ページ)
ギョベクリ・テペの円形の囲い image by:Cambridge Archaeological Journal
今から約1万1500年前、狩猟採集民族が現在のトルコに建設したと言われている巨大神殿ギョベクリ・テペは、人類最古の神殿である可能性が高く、新石器時代研究にとって極めて重要な発見のひとつだ。
神殿が建てられた当時、人類は狩猟生活を送っていたが、移住する彼らが一つの場所に巨大な建造物を作ったことは、考古学の不思議と言われていた。
今回の発見は考古学者をさらに驚かせた。イスラエル・テルアビブ大学と同国考古学庁の研究者たちが構造解析を行ったところ、ギョベクリ・テペの円形構造物と、無数にある石灰岩の巨大な柱のレイアウトに幾何学の知識が使われてることがわかったという。
・遺跡の3つの円形の囲いを結ぶと正三角形に
ギョベクリ・テペの遺跡には円形の囲い最大直径20メートルのものを含め、円形の囲いが3つあるが、これらは後から継ぎ足して適当に作られたのではなく、最初から、ひとつの計画のもとに建てられたものだという。
その根拠は、この3つの円の中心を結ぶときれいな正三角形になることらしい。つまり、この建設を指揮した者は、幾何学的知識を持っていたことになる。
イスラエル考古学庁のギル・ハックリー氏ら研究者たちは、コンピューターアルゴリズムを使って、この新石器時代の遺跡の中にある、これら円形建造物の建築設計プロセスを追跡してみた。