どうやら何もなかったのだろう、ドアを開けっ放しにしたまま、クマーはまたゆっくりと歩き去って行ったのだった。



　車に侵入した熊と言えば、思い出すのがこの事件である。



　この時はクマーのヤツ、車内をギッタギタに破壊した上に、とんでもない置き土産もして行ってくれたみたいだけれど、今回は車は無事だったのかな。朝になってドアが開いていることに気づいた車の持主さんは、いったいどんな気持ちだったろうか。

written by ruichan

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