同性愛のインコのカップルをSNSで公開した動物園にユーザーから質問殺到(アメリカ)

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同性愛のインコのカップルをSNSで公開した動物園にユーザーから質問殺到(アメリカ)
同性愛のインコのカップルをSNSで公開した動物園にユーザーから質問殺到(アメリカ)

インコの同性愛カップル image credit:Denver Zoo/Twitter

 動物界における同性愛は一般的であり、1500ほどの種で観察されているという。

 しかし、ペンギンやフラミンゴの同性愛カップルがいるアメリカのコロラド州デンバー動物園が、ゴシキセイガイインコのオス同士のカップルをSNSでシェアしたところ、多くのユーザーらからの困惑の声が上がった。

 鳥は性別を見分けるのが難しいとされており、動物園側がどのように見分けたのか?なぜカップルとわかったのか?など質問が殺到していたようだ。
・ゴシキセイガイインコの同性カップルに質問殺到

 去年6月にコロラド州デンバー動物園のTwitterでシェアされた1本の動画は、同園が想像する以上の反響を呼ぶ結果になったようだ。

 東南アジア原産の鮮やかな羽色が美しいゴシキセイガイインコ2羽、アポロとトリーについて、鳥の飼育専門家の男性が「オス同士」であることを明かしている。


 すると質問コメントが殺到。園側は対応のツイートに追われることになり、改めて次のようにツイートした。

アポロとトリーについて、非常に多くの質問を頂きました。当園では、動物たちにセクシュアリティを割り当てることはありません。私たち飼育員は、動物の世話をしながら見たこと、気付いたことを記録に残します。

この2羽においては、求愛ダンスをしたり、くちばしで身繕いをし合ったり、巣作りしたり、テリトリーを守ったり、交尾したりとカップル同士がするような行動をしていました。

ゴシキセイガイインコは、園内にある大きなケージの中で飼育されているので、異性同性関係なく、ペアを選ぶ自由な選択を与えられています。鳥の社会集団や繁殖ペアにおいては、その傾向は一般的です。


 ユーザーの中には、こうした鳥の種類は異性の区別がわかりにくいのではないかというコメントも寄せており、それについてはこのように応えている。

奇妙に聞こえるかも知れませんが、動物と長く一緒に過ごしていると、その行動や仕草などで自然とオスかメス、どちらかがわかってくるのです。

フラミンゴのように足首に付けられたタグで区別ができる鳥もいますが、結局はそれぞれの個性で見分けていることになります。


・アポロは愛多き鳥だった

 デンバー動物学財団のコミュニケーションディレクター、ジェイク・クービーさんによると、結局このアポロとトリーがカップルだった(と思われた)時期は短く、すぐに離れてしまったそうだ。

アポロはトリーとくっつく前は、マーキューシオ(オス)とペパーミント・パティ(メス)のカップルといつも一緒にいました。

どちらかというと、アポロはマーキューシオに愛情を示していたようです。でも、このカップルが繁殖のために一旦群れから分離されたのです。

その間、アポロはオスのトリーと仲良くしていたのですが、カップルが戻ってくるとトリーはすぐに捨てられたようです。(笑)

アポロは再びカップルの元へ戻り、今は3羽仲良くしています。

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wallyyoung886/pixabay

 ゴシキセイガイインコは、通常、親しい友達カップルまたは小さなグループと絆を形成することが多く、性別の垣根を越えてたくさんの愛情を持っており、それを行動で示すとジェイクさんは言う。

 もし、トリーが振られてしまったのならちょっぴり気の毒だが、アポロはマーキューシオとペパーミント・パティとの間に特別な絆を築いていたのかもしれない。

 デンバー動物園では、ゴシキセイガイインコに限らず、ペンギンやフラミンゴの同性カップルが存在すると明かしている。

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joakant/pixabay

・同性カップルは動物界では一般的

 生物学者ブルース・ベージミルが1999年に発表した革新的研究では、1500近くの種が交尾に限られない同性愛的行為を観察されており、そのうち500種においては十分な証拠があると述べている。

 ハゲタカ、ガチョウ、アヒルなどの鳥は、生涯を通して1つのパートナーと寄り添うことで知られているが、同性を選んだ場合でも、これらの鳥は生涯添い遂げるという。

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JulieMimages/pixabay

 また、オアフ島のアホウドリの約30%はメス同士のカップルで構成されている他、白鳥のカップルも20%は同性同士であることが明らかになっている。

 鳥だけでなく、哺乳類、魚など全ての動物たちの間に発生する同性愛については、カップルだったり同性同士の家族だったりとその形態も様々で、未だその動機や意味は十分には解明されていないが、今や自然界において広く一般的に見られることであるのは確かなようだ。

written by Scarlet / edited by parumo
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