何も知らないまま社会に放り出され…プロ野球選手の引退後にひそむ地獄 (3/5ページ)
プロ野球選手って、人生で自分から人にお願いしたことがない人が多いんですよ。「ウチの高校に来てください」とか「ウチの用具を使ってください」とか、いつも誰かにお願いされて、選択肢を提示されて、そこから一番いいものを選ぶだけで生きてきている。
でも、引退すると人からお願いされることはなくなって、仕事をもらうのでもなんでもお願いしないといけなくなります。そうなった時に、お願いなんてしたことがないからやり方がわからないんですよ。
今までは動物園の動物と同じで、球団に囲われてエサをもらって重宝されてきたものが、いきなり野に放たれるわけですから、獲物の取り方も身の守り方もわからない。それはきついですよね。
――現役の時からある程度、引退した後の準備をしておくべきなのでしょうね。
里崎:本当にそうです。年俸交渉の話をしましたが、最低でも自分のことは自分でできるようにしておかないと。引退したら誰もやってくれないんですから。
――プロ野球選手のセカンドキャリアについてなのですが、飲食関連の仕事につく人が多いのはなぜですか?
里崎:それは簡単な話です。30歳前後でクビになって、どこかの会社で働くといっても、雇ってくれる会社なんてそうそうないですよ。僕が社長でも、野球しかしたことがない30歳のおっさんを採るなら、新卒を採りますから(笑)。
運よくどこかの会社に就職できたとしても、これまでは野球っていう好きなことをやってお金をもらってきたのが、右も左もわからない環境で好きでもないことをやらないといけなくなる。それでいて給料は野球選手時代よりもずっと少ない。ほとんどの人はそれに耐えられなくて続かないんです。
――それで飲食関連に進んでいく、と。
里崎:成功するかどうかは別として、スタートとしては楽ですからね。誰かタニマチがいたら「こういう店、いいんじゃない」って言われてやってみるとか。でも、そんなのうまくいくわけがないじゃないですか。