歴代総理の胆力「森喜朗」(2)ラグビーボールに託した人生観 (2/2ページ)
「楕円球のラグビーボールは、時にとんでもない方向を転々とする。リバウンドしたボールが自分の手元に返る確率は、百分の一以下とも言われている。まさに、人生とはどのように展開していくのか、分からないのに似ている。私の人生もまた、ラグビーボールそのものだと思っている」
宇野宗佑から九人目の総理の森まで、残念ながらその政権は自らの力で政権に就いたのでなく、パワーバランスの中で誕生した。日本の政治の空白化の中に、名をとどめていると言って過言ではない。
そうした見方を払拭するかのように、森はいま、来年への開催延長が決まった東京五輪・パラの組織委員会トップとしてにらみを利かせている。
■森喜朗の略歴
昭和12(1937)年7月14日、石川県生まれ。早稲田大学商学部卒業後、産経新聞社入社。昭和44(1969)年12月、無所属で衆議院議員初当選。平成12(2000)年4月、内閣組織。総理就任時62歳。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長。現在82歳。
総理大臣歴:第85・86代 2000年4月5日~2001年4月26日
小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。