〈企業・経済深層レポート〉 ホンダ「ハンターカブ」大ヒットの秘密 (2/2ページ)

週刊実話

現状のバイク界は懐古趣味にとどまらないネオクラシックブームで、それもCT125が支持されている理由です」

 また、CT125の人気を後押ししている大きな要素に、世界中を恐怖のどん底に陥れている新型コロナウイルスがあるという。

 経済産業省の関係者が解説する。

「現在、多くの大企業やIT関連企業は、業務をテレワークに切り替えています。だが、資金的に移行が難しい中小企業やテレワークでは仕事にならないという業種もたくさんある。そのため、コロナ感染の確率を少しでも下げたい人たちの間では、3密を回避できるバイク通勤が増えているのです。車通勤は駐車場の問題があり、自転車は通勤距離に限度がありますからね」

 それはデータにも顕著にあらわれている。日本自動車工業会によれば、今年3月の国内2輪車の出荷台数は、対前年同月比7.3%増の3万6800台となり、3月期としては3年ぶりに増加しているのだ。これにはコロナ禍による通勤用バイクの購入が、大きく影響しているとみられている。

 さらに、コロナ禍の余波でキャンプブームが広がりつつあるのも、アウトドア用途に長けたCT125の追い風になっているという。

 日本オートキャンプ協会のデータによると、’18年のオートキャンプ参加人口は850万人で6年連続増加している。その端緒はキャンプを扱った漫画『ゆるキャン△』が大ヒットしたことや、芸人のヒロシがソロキャンプを中心とした話題で復活したことにある。つまりキャンプブームは、コロナ騒動以前から右肩上がりを続けていたのだ。

 スポーツ店関係者が、次のように分析する。

「このストレス社会の中で、数年前から静かなキャンプブームが始まっていました。コロナ感染が収束して都道府県をまたいでの旅行が解禁になれば、3密を避けられる大自然の中でのキャンプは、さらにブームになると予想されます。その点、CT125のリアキャリアは大型サイズで、少しかさばるキャンプ道具一式を楽に乗せられます」

 CT125に予約が殺到した理由には、コストパフォーマンス(費用対効果)の要素もある。

 経営コンサルタントが分析する。

「いくら大人の夢が実現するといっても、バイクの価格が途方もなく高ければ庶民はなかなか手が出ない。その点、CT125は税込みで44万円と決して安くはないが、マルチな利用度を考えれば購入してもいいと思える価格帯です」

 かくして、CT125が社会現象的なヒットを記録したところで、今後のバイク業界は果たしてどう動いていくのか。

 当然ながら国内外のバイクメーカーが、CT125の成功をこのまま指をくわえて見ているはずはない。今後、新たな競争が始まるのは必至である。

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