現役システム開発企業社員が共作 SEの世界がわかるサスペンス系IT小説 (2/5ページ)
主人公の花も、SEという仕事を通じて社内の先輩やお客様など、様々な人と出会って、みんなで力を合わせて困難を乗り越えていきます。一般の方にとってSEはコンピュータと向き合ってばかりの仕事だと思われがちですが、そんなことはありません。色々な人と出会うことで、技術者としてだけではなく人間的にも成長できる魅力的な仕事です。この作品を通じてそのことを知り、興味を持っていただけたらうれしいですね。
――私は技術的なことは素人なのですが、製造業の工場のオートマイズ化案件に潜む陰謀や、困難に対処するSE達の奮闘ぶりはスリリングで面白かったです。この作品を書く上で苦労したことや工夫したことがありましたら教えていただきたいです。
鎌田:普段の私たちの仕事はこの作品で書かれているような事件や陰謀とは無縁の世界なのですが(笑)、エンターテインメントとして仕上げるためのストーリーの構築には苦労しましたね。現実世界に即しすぎると無味乾燥になってしまいますし、かといってエンターテインメントを盛り込み過ぎるのもちょっと…というのがあって、バランスが難しかったです。
あとは、作中で描く技術についても、現実的過ぎると出版された時に時代遅れになってしまう一方で、あまりに先進的すぎても「SF」になってしまう。このあたりのバランスについては、執筆者でかなり話し合いました。
――複数人で書くことの難しさは感じましたか?
鎌田:登場人物の言動や性格がバラバラになってしまうのを合わせるのは大変でした。ただ、これまでの作品制作の経験から得たノウハウのようなものは生かすことができたと思っています。実は会社の有志で小説を出版するのは今回で4回目なんです。
具体的には、登場人物一人ひとりについて、小説に書かない部分までプロフィールを作り込みました。それこそ趣味や人間関係から、過去の恋愛遍歴や人に言えない趣味、潜在意識みたいなところまで細かく設定して、執筆者の間で登場人物それぞれへの認識を揃えました。