石原さとみ『アンサングシンデレラ』好発進も不安をぬぐえぬ3つの理由 (3/3ページ)

日刊大衆

新人薬剤師の相原くるみを演じるのは元乃木坂46西野七瀬(26)で、話題のドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)では、事件の黒幕役を最後まで見事に務めていた。その演技力の高さもあってか、今回は準主役並に登場シーンが多く、「つい石原よりも西野に目がいってしまう」という視聴者も少なくないようだ。

 また、薬剤部主任の刈谷奈緒子を演じる桜井ユキ(33)は、患者に深入りしてしまうみどりと対象的な、淡々と仕事を進めるタイプで、視聴者の間では「みどりより共感できる」という声も。桜井は『だから私は推しました』(NHK)で、地下アイドルにハマるOLを演じて注目を浴びた遅咲きの実力派女優で、このまま石原が存在感を示すことができなければ、この2人に食われてしまうかもしれない。

 そして、一瞬のことで見落としがちだが、劇中の演出に対する違和感もある。それは、放送開始から10分ほど経った頃。西野演じる相原が小児病棟の糖尿病患者の少女たちに自己紹介するシーンで、緊張する相原に少女たちが「お姉さん、カタいカタい」とダメ出しをし、相原が口元をヒクヒクさせて動揺したところだ。

 このとき、西野の口元の動きに合わせ、「クイックイックイッ」と効果音が唐突に入るのだが、バラエティ番組やコメディドラマならまだしも、この作品では場違いではないだろうか? スタッフの軽い遊び心かもしれないが、今後、人の命を扱う医療ドラマのシリアスな雰囲気を壊し、視聴者をシラケさせないか心配だ。

 初回から視聴率2ケタ超えと、まずまずのスタートを切った同ドラマ。懸念の声を吹き飛ばすような石原らの好演と、スリリングな展開を期待したい。(ドラマライター/ヤマカワ)

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