2020年のカオスは80年代のSF作品『AKIRA』で予言されていたという海外の考察。ネオ東京と現実世界の奇妙な符合 (4/5ページ)
オリンピック会場は、まさに東京荒廃の原因となり、再び破壊を繰り返す危険性があるクサイ物に蓋をするためのものだ。かつての当たり前に戻りたいという願望が、本当の危険を隠喩的に覆い隠してしまっているということだ。
金田の幼なじみ鉄雄は軍の実験で超能力に目覚めるが、やがて力を制御できなくなり暴走。不気味な肉の塊のような姿に変貌する。
ネオ東京では市民の抗議活動がますます暴力的に抑圧されるようになり、怪しげな宗教が流行。軍は鉄雄を殺すべくハイテク兵器を投入するが、結局しっぺ返しを食らう。そして大勢の人々が死に、ネオ東京は再び破壊される。
鉄雄に伝わった唯一のものは、金田との友情の記憶だった。つまりは実力行使よりも人間同士の解決だ。
鉄雄が引き起こした大破壊がこの現実世界の何に相当するのか分からないが、私たちはまだそこの一線を超えてはいない。
AKIRAで描かれたカオスは、奇妙なほど現実の2020年に似ている。それでも、私たちに唯一残された希望がカタストロフを回避することだけなどという絶望的な状況にはない。
AKIRAは我々に、真の脅威を無視し続ければどうなるのかを警告してくれているのだ。例え日々そこに近づきあるとしても、まだ私たちはその一線を超えてはいない。

以上がサム・バルサンティ氏の考察である。
ちなみに日本のお笑いコンビ、オリエンタルラジオの中田敦彦氏も、YouTubeでAKIRAと東京五輪延期、コロナ禍の関連性について説明している。