コウテイペンギンの知られざるコロニーが南極大陸で続々と発見される。うんちっちを人工衛星で追跡 (3/4ページ)
新たにコロニーが発見されたのは朗報ですが、そうした営巣地はいずれも、今後コウテイペンギンが死滅するだろうと予測された地域にあります。そのため、そうした地域のペンギンは”炭坑のカナリア”のようなものでしょう。
温暖化が与える影響を注意深く見守る必要があります(英国南極観測局保全生物学部 フィリップ・トラセン氏)
「炭坑のカナリア」とは何らかの危険が迫っていることを知らせてくれる前兆を示す。
これはかつて炭鉱労働者がカナリアを籠にいれて坑道に入ったことに由来する。カナリヤは常にさえずっているが、有毒ガスが発生するとそれをいち早く察知して鳴くのを止めるため、毒ガス検知として使用していたのだ。
新たなコロニーの発見により、コウテイペンギンの生息数は5~10%程度増えたが、気候変動の影響で、今世紀末までには全体の約8割が死滅するとも予測されている。
海氷が解けだしているコロニーに住んでいるのペンギンは、危険を知らせるカナリヤのようなものだ。コロニーがなくなってしまえば、ペンギンを救う手立てはない。
この研究は『Remote Sensing in Ecology and Conservation』(8月4日付)に掲載された。