コウテイペンギンの知られざるコロニーが南極大陸で続々と発見される。うんちっちを人工衛星で追跡 (1/4ページ)
コウテイペンギンの隠れコロニーが続々と発見される/iStock
南極で暮らすコウテイペンギンたちにとっては、ちょっと気恥ずかしいことだろう。
英国南極観測局の研究グループは、人工衛星でペンギンが落としたうんちっちを撮影し、そこから彼らのコロニーの位置を割り出した。
その結果、新たに11カ所発見され、コウテイペンギンのコロニーはこれまで考えられていたより2割ほど多いことが明らかになったそうだ。
・コウテイペンギンのフンを人工衛星で追跡調査
コウテイペンギンは、体長1.3メートル、体重45キロに達し、現生のペンギンとしては最大の種である。
それだけ大きいのだ。きっと発見もたやすいと思うかもしれない。ところが、南極はそう甘くない。
地球上でもっとも過酷な地形と気象で知られ、年間の大部分が暗闇におおわれている大陸だ。気温がマイナス50度にも下がるその環境では、思うように調査を進めることができない。
そこで研究グループはESAの地球観測衛星「センチネル-2」を利用して、地球の軌道上からまだ知られていないコウテイペンギンのコロニーを捜索することにした。
センチネル-2は、従来利用されていたNASAのランドサットよりも優れた観測能力を誇る。搭載されている観測機器の解像度はピクセルあたり10メートル。ただし、これではペンギンを直接見ることができない。
そこで「グアノ」というペンギンのフンが堆積した巨大な茶色いシミが観測された。
コウテイペンギンのコロニーの位置。