明治時代、二宮尊徳を超える財政システムを追求した渋沢栄一と西郷隆盛 (4/5ページ)
説明を聞いた西郷さんは「……さっぱり珍紛漢紛(チンプンカンプン)じゃが、要するに『入るを量りて出ずるを為す(収入を元に支出を管理せよ)』という事じゃろう」と、エクストリームに納得。
「まぁ……とりあえず、そういう解釈で大丈夫です(この人に経済の詳しい理論を話しても解らないだろうし、そもそも話の本質ではないし)」
「……であればまことに結構な法律であるからして、廃止するには及ぶまい」
「いかにも、西郷さんの仰る通りです……」
お、あっけなく論破か?あまり口が達者でない西郷さんが、経済通の栄一を説得できたかと思ったのですが……。
よりよい知恵を結集し、日本国全体に活かしたい「……が、西郷さんは情の篤さゆえ、相馬藩ばかりにとらわれ、国家全体のことを見逃しておいでではありませんか?」
栄一は話を続けます。
「確かに、この興国安民法はさすが二宮先生と言える素晴らしいシステムです。