恒星間天体オウムアムアはやはり宇宙人の船なのか? その正体をめぐり専門家らが熱い議論を繰り広げる (2/4ページ)

/iStock
だが、オウムアムアには彗星ならあるはずの肝心のコマや尾がない。
そこでセリグマン氏は、オウムアムアは水素(H2)の氷なのだと考えた。水素がようやく氷になるのはマイナス259.14度という極端な低温だが、宇宙ではそうした”水素の氷山”の存在が以前より予測されてきた。
仮にそうした水素氷が気化して噴出したとしても、地球からは見えないだろう。ならば、オウムアムアが彗星であるにもかかわらず尾がないように見えたとしてもおかしくはない。
・水素の彗星は非現実的か?
一方、ハーバード大学の理論物理学者のアヴィ・ローブ氏らは、同じく『The Astrophysical Journal Letters』(8月17日付)に掲載された研究で、水素推進力仮説は現実にはありえないと反論している。
彗星は、氷を含んだ塵の粒子がぶつかりあって成長し、それがさらに塵や粒子を集めることで形成される。ちょうど雪だるまのようなもので、解けてしまえば跡形もなく消えてしまう。
彗星を成長させる結合力は、冷蔵庫の製氷機で作られた氷のキューブ同士がくっつく力と同じだ。だが氷のキューブを製氷機から取り出して1、2分放置しておけば、表面が解けて、くっつかなくなる。解けた水が膜となり、滑ってしまうからだ。
ローブ氏らによれば、それと同じように、宇宙のもっとも寒いところでは、星の光すら水素を温め、結合を邪魔するのだという。それゆえに、水素がオウムアムアほどの彗星になるようなことはない。